マンションの寿命を考える上での要素とは?
マンションには物理的な寿命と資産的な寿命があります。
物理的な寿命は「物理的耐用年数」によって決まり、建物の構造や改修工事の有無によって大きく影響されます。
国土交通省のデータによれば、鉄筋コンクリート造のマンションは平均して約68年で取り壊されることが多いとされています。
マンションの物理的寿命を左右する要素
マンションの物理的寿命は「物理的耐用年数」によって決まります。
物理的耐用年数とは、住宅としての機能を物理的に果たすことが可能な期間を指します。
物理的耐用年数は以下の要素によって左右されます。
1. 耐震基準:日本では地震による建物の倒壊が多いため、建築基準法により耐震基準が定められています。
耐震基準は地震が起きても倒壊や損壊しない住宅を建築するための基準です。
旧の耐震基準では震度5強の揺れでもほとんど損傷しないとされていましたが、新耐震基準では震度6強〜7程度の揺れでも倒壊しないと改定されました。
2. 維持管理:マンションの寿命を延ばすためには適切な維持管理が欠かせません。
例えば、定期的な外壁塗装や設備の点検・修繕などが重要です。
これにより、劣化や故障が早期に発見され、修繕工事が行われることでマンションの寿命を延ばすことができます。
3. 環境の変化:周囲の環境の変化もマンションの寿命に影響を与えます。
例えば、近隣の建築物や道路の変更、気候条件の変化などがマンションの構造に影響を与える場合があります。
これらの変化に対応するためにも、維持管理が重要です。
参考ページ:不動産購入中古マンション購入時の注意点!耐用年数にも注意!
資産的寿命も考慮に入れましょう
マンションには物理的な寿命だけでなく、資産的な寿命もあります。
これを「法的耐用年数」と呼びます。
法的耐用年数とは、物理的な寿命が終了した後でも、そのマンションを所有することで得られる経済的な価値がある期間を指します。
マンションを購入する際には、物理的耐用年数だけでなく、法的耐用年数も考慮すべきポイントです。
これは、将来売却する場合や相続などで資産価値が重要になってくるからです。
法的耐用年数は建物の管理組合の運営状況や周辺環境の変化、地域経済の動向などによって左右されます。
まとめ
マンションの寿命を考える際には、物理的な寿命と資産的な寿命の両方を考慮する必要があります。
物理的な寿命は建物の構造や耐震基準、維持管理などによって決まります。
一方で、法的耐用年数は所有したマンションの経済的な価値を保つ期間を指し、周囲の状況や経済動向などによって変動します。
これらの要素を考慮しながら、マンションの寿命を見極めることが重要です。
中古マンションの耐震性には注意が必要
古い耐震基準で建てられた中古マンションは、現在の基準と比べると強度が劣っていることが多いため、地震の際には大きな被害を受ける可能性が高くなります。